金と円 2010 3 21
書名 純金争奪時代
著者 亀井 幸一郎 角川SSC新書
日本において、金(Gold)の話をする時は、
ドルのことを言わざるを得ないと思います。
昨年、Goldは、史上、最高値を記録しましたが、
日本国内の金価格は、過去の最高値に遠く及びません。
巷では、「日本は、世界で一番安くGoldを買える国だ」という話がありますが、
要するに、「大幅なドル安」というより「大幅な円高」になったからです。
たとえば、手元のパソコンで、
インターネットの月足チャートで表示してみると、
1990年4月が、1ドル160.35円、
昨年の11月が、1ドル84.82円を記録しました。
以前、海外旅行に行った知人が、
「記念に100ドル紙幣は保存しておく」と言っていましたが、
今となっては、「大損である」と言わざるを得ないでしょう。
ドル資産を持っていた個人や企業は、悲しい話でしょう。
円が暴落すれば、彼は損失を取り戻すことができますが、
その前に、日本国内において、金価格が暴騰するでしょう。
日本国内においては、金価格は、
金相場よりも、ドル相場の影響を受けやすいと言われる時があります。
ところで、純金争奪戦争の勝者は誰になるのか?
それよりも、敗者を探すのは、簡単でしょう。
それは、世界の中央銀行でしょう。
1990年代に、「金は持っていても金利を生まない」と言って、
金を在庫処分した中央銀行が多かったのです。
1990年代といえば、金価格が大底に近い時期だったのです。